きむらアレルギーこどもクリニック(福岡県久留米市)はアレルギー小児科医です。

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  • 2018.05.14

    食物アレルギーについて 院長コラム☕

    食物アレルギーの対応に悩む患者さまが、毎日たくさんお見えになります。

     

     「上の子に卵アレルギーがあり、下の子は乳児湿疹があるので、授乳中の私(母親)

    が卵摂取しないように制限されている。下の子(6か月)の卵摂取は1歳すぎまで

    できるだけ控えた方がよいといわれたが本当ですか。」

     

    「現在1歳半で卵、乳アレルギーのために完全除去していたが、別の小児科医から

    少しずつ食べさせてくださいと言われた。開始するにあたって、何をどれくらいの

    量から食べさせてよいか具体的に指導して欲しいです。」

     

    などなど、保護者の方のご心配は尽きませんよね。

     

    食物アレルギーを発症したお子さまは、ほぼ全員が乳児期早期からの乾燥肌や皮膚炎

    があります。そういった肌はバリア機能がおちて、容易に食物抗原が皮膚から入って

    (床におちていてハイハイして入る、親の手についていてスキンシップで入るなど)

    アレルギーを発症するのです。要するに、口から入るべき食物が口より先に皮膚から

    入り込むと、食物アレルギーを発症するリスクが高くなるというわけです。

     

    妊娠、授乳中の母親の食事制限は必要ありません。

    また、食事アレルギーの原因になりそうな食物摂取を遅らせる必要もありません。

    兄弟、家族に食物アレルギーの遺伝的要因が強くあっても同様です。

     

    まだ食物アレルギーは発症していないけれど、皮膚炎があるお子さまのスキンケア

    を継続的におこないながら、離乳食開始早期から卵を開始した方が、1歳時に卵ア

    レルギーを発症する確率がかなり低いことが、最新の医学研究で証明されています。

     

    適切なスキンケア(外用剤の塗り方が足りない方がほとんどです)と、専門医指導

    のもと、少量ずつでも積極的に食事をすすめて体に慣れさせていくことが大切です。

     

    当院では、定期予防接種目的で受診される生後2か月のお子さんの皮膚の状態をよく

    観察して、乾燥肌が目立つようであれば、食物アレルギー予防目的で当院が処方する

    保湿剤のスキンケアの実際を指導しています。

     

    卵、乳、小麦の食物アレルギーは生後6か月から1歳前に多いので、生後2か月頃から

    毎日保湿ケアを継続していたら、それだけでも食物アレルギーの発症をかなり予防で

    きる印象をもっています。

     

    食物アレルギーを発症したお子さまには、適切なスキンケアと並行して具体的な食物

    の摂取(何をどれくらいの量、どれくらいの期間で、どんな症状に気を付けてすすめ

    ていくか)指導をおこなっています。

     

    皮膚炎、食物アレルギーでお悩みの方はお気軽にご相談ください。

     

     

     

                         きむらアレルギー・こどもクリニック

                                   院長 木村光一