お知らせ
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2015.07.10
院長ブログ:食物アレルギーの治療は「食べさせる」ことです。
食物アレルギーの指導は、10年前は「制限」が主体でした。
今は、できるだけ食べさせていくことが主体となっています。
食物アレルギーの考え方がここ10年で全く変わりました。
食べることで、アレルギー反応を抑える細胞が増えてくることがわかったからです。
食べさせていくといっても、強いアレルギー症状を引き起こすことがありますので、
勝手にすすめていくのは危険です。
必ず専門医から何を(種類)、どれくらい(量)、どのように(食べさせ方)、
といった具体的な指導を受けてください。
当院では、安全に進めていくために、抗アレルギー薬内服のもと指導をおこない、
最初は1週間に1回の通院、軌道に乗れば月に2回ほど経過を報告していただきます。
治療が順調にいけば、卵を完全制限していたお子さまでも、2か月で固ゆでの黄身を
食べることができるようになります。
ただし、食物が皮膚から入ってくると、アレルギー反応を抑える細胞は増えません。
皮膚は、もともと食物が侵入してくるところではないからです。
食物が皮膚から入っていく??
なんだかピンときませんよね。
実は小麦粉(小麦入り石鹸)、そば粉、ピーナッツ(オイル)などは皮膚から入り
アレルギー症状を引き起こします(これを経皮感作といいます)。
食品の種類にかかわらず、特に調理したあとは、しっかりと手を洗って
赤ちゃんとスキンシップをとりましょう。
食物アレルギーのお子さまには、乾燥肌の方がとても多い印象を持ちます。
食物が皮膚から入りやすくなるわけです。
食物アレルギーの予防は、生後間もなくからの皮膚の保湿スキンケアに努めること、
治療は専門医指導のもと、アレルギー食を少しずつ食べて免疫力をつけることです。